ProTools-トラック・リスト

私は過去に色々なDAWを使ってきたが、ここ数年はFinaleとProToolsを中心に音楽制作をする事が多い。これら2つのソフトは動作が割と軽快な事に加え、一部のコマンド型の操作が(一見面倒そうでも)実は手動操作よりもずっと作業が素早いという部分が気に入っている。DTMの分野ではProToolsはMIDI入力が弱いという噂がずっと言われていたが、それはもうかなり昔のバージョンの話であって、特にここ数年はMIDI系のショートカットなどの充実もあり、他のDAW以上に快適に操作ができるようになった。そして私が気に入っている機能の一つにProToolsにはトラック・リストがあり、これがよく出来ている。

画面の左側がトラック・リスト

このトラック・リストはミックス画面と連動していて、リストには使用されている楽器が並んでいる。機能としては、左から表示/非表示の切り替え、パートカラー、楽器名(トラック名)、そして右の鉛筆マークで現在の入力トラックを選択できる。

 まず表示/非表示の切り替えによって、例えば他のパートの音を参照しながら音を入力する事が簡単に行える。切り替えがワンクリックで済むので、他の一部のDAWのように編集画面に戻ってからトラックを選び直すという事が無くて済む。

 次にトラックカラーについては自動で色分けがされ、トラックを重ね合わせた際にそれぞれのパートの識別に役立つ。多くのDAWでは標準的な色表示はベロシティーなどとなっているため、パートカラーを設定した上で表示色を切り替えるなどの操作が必要なものが多いが、これがほぼ全て自動で出来るため時間短縮になる。

 トラック・リストの右側のボタンは、音符の入力トラックを選択する事が出来る。以上の機能のために、弦の多声部的な入力も効率よく行える。五線でこそ無いもののFinaleのようなソフトで記譜しているような見通しの良さがある。もともとProToolsにはステップインプット機能があり、テンキーで音価を選んでMIDIキーボードで音を入力していけるので、これらもFinaleのような音符入力に近いかもしれない。

ProToolsのステップインプット

トラック・リストの注意として、リストの楽器名をクリックするとトラックが選択されるが、これはリスト右側の編集トラックとは独立して選ぶ事が出来る。ここで任意のトラックを選び、shift+s(ソロ)や、shift+m(ミュート)などの操作も行える事になる。つまりこのトラック・リストで出来ることは意外と多い。注意点としては、リスト右側のボタンはあくまでも鉛筆などで音符を入力するパートの選択をするのであって、例えばあるパートの音を他のパートにユニゾンさせたい場合などは、コピー先のパートの選択はトラックの選択をして行う必要がある。つまり、トラック・リストの任意のパート名をクリックした上で貼り付け(v)を行えば、ミックス画面に戻らなくてもパート間の音色移動が完了する。ちなみに、キーボードのxキーを押すとコピーでは無く切り取りになる。例えば編曲の仕方として弦パートを大譜表などでスケッチした後で、それぞれのパートに振り分ける人がいるとしたら、この操作で簡単に振り分けが可能となる。